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写真がつなぐ 思い出と、感動と
 手軽に使えるデジタル一眼レフカメラが次々と登場し、写真が趣味という人がぐっと増えてきたのは、つい最近のこと。八千代市に住むカメラマンの平川広さんが写真を始めた20年以上前には、想像もつかなかった時代である。
 「私が写真を始めたのは、オートフォーカスの一眼レフカメラが初めて世に出てきたような頃。勤めていた夜間中学校の卒業アルバムを手作りで制作していたのですが、当時はデジタルなんてもちろんなくて、フィルム。入学式に卒業式、運動会から集合写真まで、1つの行事につき36枚撮りフィルムを10本は使って16年間ひとりで撮り続けました」。
 そんな平川さんが退職後の今撮影するのは、日本の自然。「自然の力に気付いたのは、長野県の美ヶ原を訪れたとき。自然の美しさに感動する観光客を目にして、風景でもこんなに人の心を動かすことができるものなんだ、と実感しま
した」。その原体験が、写真展を開くにあたっても生かされている。「会場に来てくれるお客さんには、実際に自然を前にしているかのような臨場感を味わってほしい。だから、通常の写真展では用いることのない84cm×120cmの特大サイズでプリントしています」。

自然を撮る、思いを撮る
 5日間で800人もの人が訪れたという2008年の写真展。平川さんは会場に訪れる一人ひとりに声をかけ、とっておきの撮影秘話を語ってくれる。「自然が相手なので、太陽光線や雲の位置、花の咲き具合など、シャッターチャンスをねらって何日も待つこともあります。撮影場所はあらかじめ本で調べて行きますが、現地で仕入れる情報こそが命。でも地元の人に撮影ポイントを尋ねても、最初は教えてくれないんです。こちらが冷やかしではなく、本気でその風景を撮りたいんだ、という姿勢を見せるとやっと教えてくれる。観光客が増えると自然が壊されてしまうと危惧しつつも、地元の良さを知ってほしいんですね」。
 土地の人が大切に守ってきた自然を写真に撮ることで、保全に取り組む現地の人々を元気づけられれば、と言う平川さん。すでに2009年の写真展は、北関東と会津の自然がテーマと決まっている。自然と人との出会いを求めてその旅は続く。


●Profile
青森県生まれ、八千代市在住。
中学校教員を退職後、自ら自動車を運転して日本各地を巡り、四季の自然を撮影している。旅に出ているその日数は、実に年間約150日。年に1回の写真展『四季花風景』を開催する他、作品の一部は八千代市内のカフェなどで常時展示されている。




「四季花風景―彩り豊かな南東北、桜から紅葉まで―」と題された写真展(2008年1月24日から1月28日八千代市勝田台文化センターで開催)で展示された作品より。福島県田村市船引町・笹山で撮影された「大聖寺の桜」(写真上)と同じく福島県田村市大越町・高柴山で撮影された「山ツツジ群落」。移ろう四季の美しさをベストな状態でフレームに収めるため、1度の撮影旅行に少なくとも1ヶ月は費やす。








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